「グロースハック完全読本」まとめ
「グロースハック完全読本」を読了したので内容をざっくりまとめてみました。
感想
- グロースハックの概要やフローについて大まかに理解することができた。
- 基本的には分析->仮説->検証->結果のループを行う。
- サービスの状況を適切に判断して追うべき指標を決めるのが難しそう。
- 実践して続けていくのは大変だが、サービスやユーザと向き合う意識を忘れないようにしたい。
- メジャーなサービスの事例がたくさん紹介されていた。
第一部
第1章 グロースチームを結成する
縦割り型組織の場合に部門を跨いでの知識共有がされないので横断的な組織にするとよい。
メンバ構成
- グロースリード
- プロダクトマネージャー
- ソフトウェアエンジニア
- マーケティングスペシャリスト
- データアナリスト
- プロダクトデザイナー
第2章 プロダクトの渇望度を測る
マストハブなプロダクトには必ずアハ・モーメントがある。
アハ・モーメントはコアユーザを分析し、コアユーザの共通項を探す。
(例えば、特定の機能を利用したユーザはコアユーザになりやすいのであればその機能を利用した瞬間がアハ・モーメント)
また、マストハブに到達したかどうかはマストハブ・サーベイを行う
Q.もし明日このプロダクトがなくなったら、どれぐらいがっかりしますか?
- すごくがっかりする
- 少しがっかりする
- がっかりしない(あまり役になってない)
- 該当しない(すでに利用していない)
(省略)
マストハブに到達していない場合は、以下を続けていく
- 文言や色などのA/Bテスト
- ユーザの分析
- 収集する情報はGoogle Analyticsだけでは不十分。
- ユーザがアハ・モーメントを経験するまでの各ステップは少なくとも追跡するできるようにする
第3章 成長のレバーをつかむ
成長する為の重要な指標を検討する。
検討にあたり「基礎的グロース方程式」を定義する方法がある。
(基礎的グロース方程式とは成長を促す主要因をすべて含むシンプルな数式)
例として
総取引数量の成長 = 出品中のセラー数 * 出品数 * バイヤー数 * 成約数
指標ができたらレポートを作成して可視化を行う
可視化することでチームの意識を指標に向けることができる
第4章 高速で実験を繰り返す
データ分析・洞察収集
- ヘビーユーザの行動 (どの機能を利用しているか、どのページを閲覧しているかなど)
- ヘビーユーザの属性 (アプリを利用したきっかけ、人口統計的な属性(収入や年齢など))
- 使わなくなったきっかけ (離脱率が高いページや機能の不具合はないかなど)
アイディア生成
- チームでたくさん出す
- 簡易的な名称と内容(5w1h)で構成される
実験の優先順位付け
- ICEスコアシステムで優先度を決める
- Impact (影響度: 指標が受けるインパクト)
- Confidence (自信度: 分析やアンケートからどの程度確証が得られているか)
- Easy (簡単度: 実験にかかるコスト)
実験
- 実験結果は以下の項目をまとめる
- 実験の名称と内容 (チャネルと対象を含む)
- 実験の種類 (表記文言の修正か機能の変更かなど)
- 影響を受けた機能
- カギとなる指標
- 実験の時期
- 仮説と結果
- 導き出される結論
- 実験結果はSlackなどで全社に共有する
グロースミーティング
時間 | 内容 |
---|---|
15分 | 指標のレビューと重点領域のアップデート |
10分 | 前週の実験レビュー |
15分 | 実験結果から得られた学びの共有 |
15分 | 次のグロースサイクルに向けた実験の選定 |
5分 | アイディア・パイプラインの増減チェック |
注意事項
- 週次で行う。
- ブレーンストーミングの場にしてはいけない。
- アイディア出しが必要な場合は別に場を設ける。
第二部
第5章 獲得をハックする
- ランゲージ・マーケット・フィット
- プロダクトの利点の説明がユーザに刺さっているか
- 顧客(レビューやフォーラムなど)が利用している言葉を用いるとよい
- チャネル・プロダクト・フィット
- マーケティングしているチャネルが想定顧客へリーチしているか
- チャネルは一つに絞り込む、絞り込み方法は以下から始める
- ビジネスモデルに着目
- BtoBであれば見込み客と接点を持てる見本市
- ネットショップであれば顧客を呼び込むためのSEOなど
- ユーザ行動に着目
- ユーザがソリューションを求めて検索する場合は、SEOなど
- ビジネスモデルに着目
- チャネルの実験
```
- コスト
- ターゲット (ターゲットのセグメントへリーチするのは簡単か)
- コントロール (開始後に、修正・中止が可能か)
- インプット時間 (準備にかかる時間)
- アウトプット時間 (成果が出るまでの時間)
- スケール (リーチできる人数) ```
第6章 活性化をハックする
- ファネルレポートを作成する
- カスタマージャーニーの主要段階を活性化まで追いかける
- アクティブユーザや一度きりのユーザ、一度も使っていない(バウンス)を比較する
また、離脱率の高いステップの前後でのアンケートも有効- 離脱した人にステップ直前で離脱した理由
- 離脱していない人にステップ直後で離脱しなかった理由
- フリクション(顧客が感じる煩わしさ)を減らす
- ポジティブフリクション (価値を理解するためにあえて踏ませるフリクション)
- ラーンフロー
- アンケート
- ゲーミフィケーション
- ユーザに入力させるとフリクションが発生するが、報酬を与えながら徐々に行動レベルを上げていく
- また、蓄積する情報(evernoteなど)が増えるほどユーザはプロダクトへコミットする
- ポジティブフリクション (価値を理解するためにあえて踏ませるフリクション)
- トリガー
- push通知・メールは強力だが多用しすぎると反発を招くので注意
第7章 維持をハックする
初期
新規ユーザにコアバリューを早く体験させる
- 顧客の維持率の指標を決める
- コホートの定義、分析 (顧客の獲得時期で分けるなど)
- 顧客調査し、実験する
中期
プロダクトの利用を習慣化させる
- パーソナライズ (顧客に合わせて最適化)
- ジャッカール指数 (類似度)
- 価値向上の予告 (機能追加などの予告)
- アンバサダープログラム・ミッション達成の表彰
長期
- オンゴーイング・オンボーディング (小さなステップを経て全体の機能を取得する)
- レザレクション (休眠ユーザから使わなくなった理由を聞き、改善メールなどで通知)
収益化をハックする
- パーチェスファネル(収益化に重要なフロー)を特定する
- ピンチポイント(収益化の取りこぼしが多い場所)を特定する
- コホートごとに分析(高収益と低収益のコホート)
- 各コホートがどのような改善を望んでいるかアンケート
- パーソナライズでレコメンド
- 価格設定は常に見直す (ダイナミックプライシング)
- 検討時に以下をアンケート
- 買う気が起きなくなる価格
- いくらまで下がれば買うか
- いくらならお得と感じるか
- 安すぎて品質に不安を感じるか
- 顧客ごとにプランを作成 (中間プランを設けることで価格比較がしやすくなる)
- 説得の6原則
- 返報性 (試用すると買わないといけない気がする)
- コミットメントと一貫性 (一つ行動すると続けて行動したくなる)
- 社会的証明 (みんながやってる)
- 権威 (専門家などの推薦文)
- 好意 (友人などに進められる)
- 希少性 (期間限定や残りわずかなど)
- 検討時に以下をアンケート